強皮症による手指関節拘縮に対して外科的整復を試み改善を得た1例
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概要
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34歳,女性。平成15年夏よりレイノー症状出現後,四肢末梢から始まる皮膚硬化領域が急速に拡大した。約8ヵ月後には手指関節屈曲拘縮に至ったため,近医受診。全身性強皮症の診断で当院紹介。ステロイド及びシクロスポリン内服治療開始され,皮膚硬化の改善を認めるも手指屈曲拘縮は進行し,腱緊張のバランス異常に伴うPIP関節亜脱臼と高度の関節可動域制限を伴った。そこで当院整形外科でPIP関節短縮骨切り・関節固定,浅指屈筋腱切腱術,総指伸筋腱延長術,総指伸筋腱腱鞘除去による手指機能回復を試み,関節可動域の改善をみた。術中の特筆すべき所見として前腕での総指伸筋腱腱鞘の著しい肥厚・線維化が認められ,この腱鞘の切除が腱の緊張を弱めるのに有用であった。強皮症に伴う手指関節拘縮がステロイド,免疫抑制剤などの保存的治療によって改善しない場合,手術を含めた包括的治療も考慮すべきと考える。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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