白斑患者に対するメーキャップ化粧品の有用性の検討―色素脱失を主訴とする患者のQOL向上をめざして―
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概要
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尋常性白斑患者23名(男性6名,女性17名)に,株式会社資生堂で開発された白斑カバー専用ファンデーション"パーフェクトカバーVV"を継続的に使用させ,顔面の白斑部位をカバーしたときのQOL変化を検討した。疾患別QOL尺度としてはSkindex-16及びDLQIを,包括的QOL尺度としてはWHO QOL26を用いた。メーキャップの満足度はVAS(Visual Analogue Scale)により評価した。また,皮膚色調の確認のためカバー部位の色調を測定した。メーキャップ前と患者自身によるメーキャップ2週間継続後のQOL調査の結果,Skindex-16,DLQI及びWHO QOL26のスコアは統計学的に有意に改善し(それぞれ,p<0.0001,p=0.0012及びp=0.0003),メーキャップにより外見に関わる心理的不安が取り除かれ,社会関係までも改善することが明らかになった。患者自身によるメーキャップの満足度は男女とも同程度に高かった。また,皮膚の色調測定により,カバー部位は健常皮膚と同等の色調に補正されたことが確認された。副作用の発現及び中止・脱落例はなく,安全に継続使用できた。本ファンデーションによる白斑部位のカバーは,明らかに患者のQOLを向上させると考えられた。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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