ぼうこう直腸障害をともなった帯状ほう疹の1例
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概要
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51歳女性。初診の5日前に右臀部に疼痛と共に小水疱が出現し,その後皮疹が徐々に拡大したため,3日前に近医受診し帯状疱疹の診断のもとに塩酸バラシクロビル3,000mg/日を3日間内服していた。しかし,次第に排尿障害が出現し,尿閉状態に進行し,さらに排便障害も出現したため,加療目的にて当科受診し入院となった。臨床症状及び臀部の水疱内の擦過物におけるFITC標識VZVモノクローナル抗体によるVZV検出キットの陽性所見から,膀胱直腸障害をともなった帯状疱疹と診断した。入院後,ビダラビン300mg/日の点滴を5日間行い,尿閉には自己導尿を,排便障害には下剤の投与を行なった。排尿障害は点滴開始5日後より改善し始め,さらに1週間後に,排便障害は点滴開始3日目より改善し始め,さらに3日後には後遺症を残さず改善した。仙髄領域に生じた帯状疱疹では膀胱直腸障害に注意する必要があると思われた。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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