Trichophyton tonsurans感染症の5例‐日常診療における問題点とその対策‐
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概要
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平成15年2月から平成16年5月までの約1年間に,<I>Trichophyton tonsurans</I>感染症5例を経験した。年齢は20-32歳,男2女3で全員柔道選手,頭部白癬と体部白癬の両方を認めたのは3例,体部白癬のみが2例であった。頭部白癬の症例は3例ともhairbrush法陽性,1例はケルスス禿瘡,2例はBlack dot ringworm(BDR)であった。治療は,頭部白癬にたいしては抗真菌剤内服,体部白癬は抗真菌剤外用を行った。治療においての患者の意識は,体部白癬は外用治療を懸命にするのに対して,自覚症状の乏しい頭部白癬には,重要視しない傾向があり指示通りの内服治療が困難であった。また生毛部の体部白癬でも生毛内に真菌が侵入した1例では,外用のみでは治癒せず抗真菌剤内服併用で治療した。今回経験した<I>T.tonsurans</I>感染症の治療経験から,本感染症制御に当たっては,柔道関係者への情報提供,啓蒙が非常に重要で,各集団の責任者(監督など)の理解を得て集団検診,治療,予防対策を行うのが最善の方法と考える。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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