HPV16陽性を示した外陰部Bowen病の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
65歳,女性。27年前に子宮頸癌の既往がある。3年前より外陰部に米粒大の丘疹が出現し,徐々に拡大した。当科初診時,両小陰唇から大陰唇やや外側,会陰部,肛門周囲にかけて浸潤を伴い扁平に隆起する赤褐色の局面を認め,腟前庭から腟壁にかけても赤褐色の局面がみられた。外陰部Paget病を疑い生検を施行したところ,表皮突起のつぼみ状の延長,棍棒状の肥大がみられ,細胞配列の乱れ,核分裂像,不全角化を伴う異型ケラチノサイトの増殖を認めた。基底層は保たれており,Bowen病と診断した。全身麻酔下にて腫瘍切除術・筋皮弁移植術を施行した。切除した腟壁の擦過細胞から,PCR法と制限酵素による切断により,HPV16のDNAの存在を確認した。一方,以前の子宮頸癌の組織切片からはHPV-DNAは検出されなかった。
- 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会の論文
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
- ―カラーライブラリー―巨大脂漏性角化症の1例
- 輪ゴム絞扼が原因であった皮膚潰瘍の1例
- In vivo共焦点レーザー顕微鏡を用いた扁平母斑に対するレーザー治療の効果検討
- 乳幼児アトピー性皮膚炎患者を対象とした低刺激性スキンケア製品(シャンプー,泡状洗浄料,乳液)の使用試験
- 1家系4世代にみられた色素失調症