潰瘍型皮膚サルコイドが疑われた虫食い状皮膚潰瘍の1例
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概要
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56歳,女性。初診の7年前より両側下腿前面に硬結を伴う帯状の紅斑が生じた。初診の1年前に掻破したところから両側下腿に虫食い状の潰瘍が出現した。病理組織学的に真皮深層から脂肪織小葉内に非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫が観察された。サルコイドーシスを疑って全身検索を行ったところ,胸部 CT にて気管支壁の不規則な肥厚と心エコーにて心室中隔基部の菲薄化を認めたものの,その他にサルコイドーシスを示唆する所見はなく,確定診断には至らなかった。萎縮性皮膚病変に下腿潰瘍を伴った場合,潰瘍型皮膚サルコイドを鑑別疾患に挙げ,組織学的に非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫が認められた場合は,他臓器病変の検索が必要であり,サルコイドーシスの確定診断に至らなかったとしても,慎重な経過観察が必要である。(皮膚の科学,12: 31-34, 2013)
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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