オープンパッチテストにて診断しえたアリルイソプロピルアセチル尿素とイブプロフェンによる口唇部固定薬疹の1例
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概要
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34歳,女性。頭痛に対して鎮痛薬を使用したところ口唇の腫脹を生じた。数ヶ月後に別の鎮痛薬を使用したところ,上下口唇と手背の水疱および手指の紅斑を生じ,色素沈着を残した。両薬剤に共通な成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素 (Allylisopropylacetylurea,AIAU),イブプロフェン,無水カフェインのいずれかによる固定薬疹を疑い,これらの成分に対して無疹部でのクローズドパッチテストを行ったがすべて陰性であった。そのため上下口唇の色素沈着部に AIAU とイブプロフェンをそれぞれ20%含有するワセリンを単純塗布すると,5分後に紅斑が出現した。また無水カフェインの口唇色素沈着部への,AIAU の手背色素沈着部への単純塗布はそれぞれ陰性であった。本症例は皮膚粘膜移行部の固定薬疹であり,同部でのオープンパッチテストは結果が早く得られ,安全で有用性の高い検査法であった。(皮膚の科学,12: 26-30, 2013)
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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