臨床症状と病理が解離した乳房 Paget 病の2症例
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概要
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症例1:58歳,女性。右乳頭部および乳輪を中心として直径約 5cm の白苔の付着したびらんを認めた。組織ではびらん部と正常部との境界部位に Paget 細胞を認めたが,主乳管と乳管外に浸潤を認めなかった。びらん面から 2cm 離して乳腺の部分切除術を行った。症例2:62歳,女性。右乳頭に限局した 1cm のびらんがあり,組織学的に Paget 細胞は表皮内のみでなく,主乳管にまで浸潤していた。腫瘍全摘術を行ったが深部乳管まで浸潤していたため,全乳房摘出手術をおこなった。このように臨床像の外観と組織深達度が解離していることがあるため,臨床像の印象にとらわれず,正確に腫瘍の浸潤を評価することが重要である。(皮膚の科学,10: 154-158, 2011)
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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