蛋白漏出性胃腸症,胃癌を合併した胃過形成性ポリポーシスの1例
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概要
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症例は61歳,女性.下腹部膨隆,下腿浮腫を自覚し,当院を受診した.血液検査で重度の鉄欠乏性貧血と低蛋白血症を認めた.上部消化管内視鏡検査では,胃全体に発赤を伴う大小多彩な浮腫状のポリープが多発しており,胃前庭部前壁ではポリープが密集して大きな集合体を形成していた.胃体下部小彎のポリープは生検でGroupIVと判定された.消化管シンチグラフィーでは,胃からの蛋白漏出を確認した.胃限局性のポリポーシスと,それに伴う鉄欠乏性貧血,蛋白漏出性胃腸症と診断した.また,一部のポリープは癌が強く疑われており,低蛋白血症や貧血は保存的治療に抵抗性であったため,胃全摘術の適応と判断した.術後の経過は良好で,貧血や低蛋白血症は速やかな改善を認めた.切除胃の病理組織学的診断で胃過形成性ポリポーシス,早期胃癌と診断した.
著者
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