組織球様細胞亜型の1例を含む多形型浸潤性小葉癌の2例
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概要
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背景 : 乳腺多形型浸潤性小葉癌 (PILC) に, 組織球様変化を示した 1 例を経験したので, 定型的な PILC の 1 例との比較検討を含め報告する.症例 1 : 70 代, 女性. 左 C 領域の硬結に対して, 左単純乳房切除術を施行し, 組織球様変化を示す PILC と診断した. 捺印細胞標本では, 異型の軽度な組織球様大型細胞が孤立性あるいは疎結合性集塊として少数出現していた. E-cadherin 陰性, GCDFP-15 陽性であった.症例 2 : 50 代, 女性. 右乳房腫瘤に対して, 胸筋温存右乳房切除術を施行し, PILC と診断した. 捺印細胞標本では異型細胞が孤立性あるいは疎結合性集塊として少数出現しており, 強い核異型がみられた. E-cadherin 陰性であった.結論 : PILC は核異型が強く, 細胞診で癌と推定できるが, 組織型推定は E-cadherin の免疫染色なしでは困難である. 一方組織球様変化を伴った PILC は, 異型が乏しく, 通常染色のみでは見過ごされる可能性がある. 臨床所見から癌が疑われるときは, わずかな核異型にも着目して, cytokeratin や E-cadherin の免疫染色を施行し, 組織型を推定しうる可能性が示唆された.
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特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会 | 論文
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