耳下腺に発生したオンコサイト筋上皮腫の1例
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概要
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背景 : 耳下腺に発生したオンコサイト筋上皮腫の 1 例を経験したので報告する.症例 : 60 代, 女性. 左頸部腫瘤を主訴として, 当院を受診. CT, MRI にて, 左耳下腺内に約 2.5 cm 大の腫瘤を認めた. 穿刺吸引細胞診では, ライトグリーン好性の顆粒状の広い細胞質を有する細胞が散在性あるいは集塊状に出現するとともに, 比較的小型で N/C 比の高い細胞が結合の強い集塊で出現していた. 好酸性細胞の核は類円形∼楕円形で, 一部に核溝や核内細胞質封入体を認めた. 小型細胞は均一な類円形核を有し, 細胞境界は不明瞭であった. 両者の細胞には移行がみられた. 悪性を除外しえないため, 耳下腺腫瘍摘出術ならびにリンパ節廓清術が施行され, 組織所見および免疫組織化学的所見よりオンコサイト筋上皮腫と診断された.結論 : 唾液腺腫瘍の細胞診で好酸性細胞主体の細胞像を認めた場合には, オンコサイト筋上皮腫も念頭におき, 背景や出現細胞を観察し, 可能ならば免疫染色等を用い総合的に判断することが必要と考えられた.
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特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会 | 論文
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