Thinlayer標本による子宮内膜細胞診の評価
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概要
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目的: 子宮内膜細胞診において, Thinlayer 標本と従来の塗抹標本 (Conventional 標本) の診断成績を比較し, Thinlayer 標本の特性を明らかにする.方法: 内膜組織診とエンドサイトによる内膜細胞診を同一日に施行した 96 例を対象とした. 塗抹後のエンドサイトから Thinlayer 標本を作製し, 従来の診断基準で Thinlayer 標本も診断した. 組織診の結果を基に, 両細胞診標本の感度および特異度を求め, 細胞塗抹量, 鏡検時間, 細胞像について検討した.成績: Conventional 標本の感度/特異度は 87.0%/89.4%, Thinlayer 標本は 73.9%/70.2%であり, 後者が低かったがいずれも有意差は認めなかった. Thinlayer 標本は重積性が軽減され, 背景の赤血球や炎症細胞が大きく減少していた. 鏡検時間は Thinlayer 標本で有意に短縮された. しかし Conventional 標本とは異なる細胞像を示す傾向があった.結論: Thinlayer 標本による内膜細胞診標本は Conventional 標本と同程度の感度/特異度であり, Thinlayer 標本の特性を十分理解したうえで臨床応用は可能と思われる.
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特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会 | 論文
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