甲状腺髄様癌の穿刺吸引細胞像
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概要
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目的 : 甲状腺癌の穿刺吸引細胞診では, 甲状腺髄様癌と乳頭癌との鑑別に苦慮する場合があり, 電子顕微鏡および免疫細胞化学などの補助技術を併用し, 診断向上の可能性を検討した.方法 : 過去10年間に細胞診断された631例の甲状腺腫瘍症例のうち, 甲状腺髄様癌の3例を対象として, 電顕標本との対比観察に加え, Papanicolaou染色脱色後の標本を用いて, calcitonin, chromogranin AおよびCEAの3種類の抗体による免疫細胞化学的検索を施行, 有用性を検討した.成績 : 電顕像との対比では, 腫瘍細胞質内の小顆粒, アミロイド物質の細線維構造の光顕標本上での反映がうかがわれた. また, Papanicolaou染色脱色後の標本に, 免疫細胞化学的検索を併用することで, 組織型診断の確実性を高めることができた.結論 : 穿刺吸引細胞診における甲状腺髄様癌の診断においては, 電顕像および免疫細胞学的検討結果を考慮に入れた詳細な細胞診標本の観察と, それらに対する解釈や対応の方法にさらに検討を加えることが, 一層の精度向上に重要である.
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