雪利用によるアスパラガス 1 年生株の長期貯蔵が貯蔵根の糖含量およびホワイト若茎収量に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
雪の下で長期間貯蔵したアスパラガス(Asparagus officinalis L.)の 1 年生株から夏季にホワイト若茎を収穫する可能性について 2 シーズン(2008~2009 年および 2009~2010 年の実験)検討した.2008 年 11 月 6 日および 2009 年 11 月 12 日に掘り取った 1 年生株をコンテナの中の土に埋め込み,約 7 か月間雪の下に貯蔵した.貯蔵後,貯蔵根の糖含量を測定し,20℃ の暗室で若茎収量を調査した.充分な量の雪に覆われた場合,根株は安定的に 0~1℃ で貯蔵された.両年ともに貯蔵期間が長くなるほど,貯蔵根の糖含量は減少する傾向が認められた.また,夏季収穫では冬季収穫と比較して,若茎収量は低くなる傾向にあった.これらの結果より,貯蔵期間における貯蔵根の糖含量の減少は若茎収量に大きく影響すると思われた.しかしながら,両年ともに 6.5 か月以上貯蔵した 900 g の 1 年生根株から 190 g 以上の規格内若茎が得られており,簡易かつ低炭素システムである雪山を活用して貯蔵された 1 年生根株からホワイトアスパラガスの商業的な夏季生産が可能であることが示唆された.
- 園芸学会の論文
園芸学会 | 論文
- 液状マルチ資材の散布がコマツナの生育, 収量ならびに地温に及ぼす影響
- 生分解性鉢による育苗がトマトの生育ならびに養分含有率に及ぼす影響 : 第2報定植後の生育(繁殖・育苗)
- 生分解性鉢による育苗がトマトの生育ならびに養分含有率に及ぼす影響 : 第1報定植前の生育(繁殖・育苗)
- トマトの開花期における小花柄の脱離過程
- トマト果実の完熟後における小果柄の脱離組織の形態的変化