光照射されたTiO2‐Fe対のガルバニ挙動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
光照射したルチル型TiO2と鉄対のガルバニ挙動とこのガルバニ電池形成下での鉄の腐食減量を,水溶液の水素イオン濃度に対して調べた.膜状のルチル型TiO2は高温酸化により形成され,その後,高温水素ガスで還元された.TiO2皮膜の自然浸漬電位は,光照射により低下した.この低下は,水素還元温度の上昇とともに大きくなった.1173 Kで還元されたTiO2皮膜における光照射に伴う自然浸漬電位の低下は,pH 10以上の溶液中において,溶液pHの上昇とともに大きくなった.この結果,これらの溶液中ではTiO2の自然浸漬電位はFeの自然浸漬電位よりも低くなった.pH10~12の溶液中において光照射したTiO2がFeと接触するとき,Feにおいてカソード電流が流れた.この電流は溶液pHの上昇とともに大きくなった.この理由は,TiO2における光アノード電流が溶液pHの上昇とともに増加することに因ることがわかった.光照射したTiO2とガルバニ電池を形成したFeの腐食減量は,光照射しないTiO2とガルバニ電池を形成した鉄およびガルバニ状態でない鉄の腐食減量に比べ小さくなった.さらに,光照射したTiO2とのガルバニ電池形成下におけるFeの腐食減量は,Feに対するTiO2の面積比の増加とともに減少した.
- 公益社団法人 腐食防食学会の論文
公益社団法人 腐食防食学会 | 論文
- 圧力平衡型外部照合電極による高温水溶液中の電位測定と熱拡散電位の評価
- アコースティック・エミッション(AE)による埋設鋼管の土壌腐食診断
- 光ファイバAE計測システムを用いたCBB試験中に発生する応力腐食割れの検出
- 山間部橋梁桁各部位の実測結露時間によるぬれ環境評価
- 火力発電プラントにおけるサイクル化学の最近の話題