Ni‐Cr‐Mo合金の腐食すきま再不働態化電位測定方法の最適化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高レベル放射性廃棄物地層処分用の処分容器(オーバーパック)候補材料の耐すきま腐食性を定量的に評価するために,JIS G 0592「ステンレス鋼の腐食すきま再不働態化電位測定方法」に基づいてNi-Cr-Mo合金Alloy 22の腐食すきま再不働態化電位ER,CREV測定法の最適化を検討した.進展性腐食すきまに対応する正しいER,CREVを決定するためには,2つの制約,すなわち,(a)過不働態溶解を生じさせないこと,(b)すきま部における腐食すきまの侵食深さが臨界侵食深さ65μmを超えること,が満たされなければならないことを明らかにした.JIS法の腐食すきま発生過程の標準操作である30 mV min−1動電位法は上記(a)を満たせなかったため,過不働態溶解開始電位直下での定電位保持法を採用した.JIS法の腐食すきま進展過程の標準操作である200μA/2 h定電流保持は上記(b)を満たせず,1600μA以上の保持電流は(a)を満たせなかったことから,800μA/2 h定電流保持を採用した.こうしてNi-Cr-Mo合金向けに最適化した手順によって90℃の0.1~4 mol dm−3 NaCl水溶液中におけるAlloy 22のER,CREVを測定し,その可使用限界条件を評価した.
- 公益社団法人 腐食防食学会の論文
公益社団法人 腐食防食学会 | 論文
- 圧力平衡型外部照合電極による高温水溶液中の電位測定と熱拡散電位の評価
- アコースティック・エミッション(AE)による埋設鋼管の土壌腐食診断
- 光ファイバAE計測システムを用いたCBB試験中に発生する応力腐食割れの検出
- 山間部橋梁桁各部位の実測結露時間によるぬれ環境評価
- 火力発電プラントにおけるサイクル化学の最近の話題