アルカリ・還元性の模擬地下水環境下における炭素鋼の腐食挙動
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概要
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本研究は,低レベル放射性廃棄物用の処分容器の腐食挙動を明らかにするために,候補材料である炭素鋼の考慮すべき腐食形態と局部腐食生起条件についてセメント平衡模擬地下水溶液を用いて評価した.局部腐食が発生する可能性を評価した結果,溶存酸素濃度<3×10-4 mass ppm, pH 11.5~13.5の環境下では再不働態化電位は常に腐食電位よりも貴であったことから,その環境中では塩素イオン濃度に関わらず局部腐食を考慮する必要がないと考えられた.さらに,塩素イオン濃度が0 mass ppm付近の低濃度では,溶存酸素濃度やpHに関わらず局部腐食の発生は無視できた.一方,全面腐食を想定して水素発生等価腐食速度を求めた結果,pH 12.3では腐食速度は0.067~0.1μm/yの範囲であった.約10万年の炭素鋼容器埋設期間を仮定しても,その間の腐食減肉量は10 mm程度であることが分かった.
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公益社団法人 腐食防食学会 | 論文
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