湧水のある山岳トンネル岩盤中での鋼管膨張型ロックボルトの耐久性
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概要
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鋼管膨張型ロックボルトは湧水のある地山や掘削による初期変位のあるトンネル工事で使用される。湧水中での耐久性を評価するために,溶融Zn-6%Al-3%Mg合金めっき製ボルトおよびめっきなしボルトを東海北陸自動車道飛騨トンネルの湧水地山に試験設置した。1,2,3年経過後にオーバーコアリング法によりボルトを地山から回収し,腐食挙動を調査した。めっきなしボルトの場合,腐食(板厚減少)速度は直線近似でき,溶存酸素拡散支配型の腐食と判断された。一方,合金めっき製ボルトの場合,灰色外観を呈しほとんど腐食の認められない領域とめっき層が局部的に腐食した黒変色領域とが混在していたが,黒変色領域における腐食の進行も2年経過以降はほぼ停止していると見なされた。3年経過後の灰色領域,黒変色領域および溶射補修した溶接部のいずれの部位も最表層はZn-Si-O系の均一な皮膜で覆われており,試験設置場所で採取した湧水の分析結果などからケイ酸亜鉛皮膜と推定された。このケイ酸亜鉛皮膜の腐食抑制効果により,それ以上の腐食の進行がほぼ停止した状態になっていると考えられる。
- 公益社団法人 腐食防食学会の論文
公益社団法人 腐食防食学会 | 論文
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