栄養士養成課程学生の食生活状況および食行動・食意識との関連 ~食事バランスガイドの活用に向けての検討~:~食事バランスガイドの活用に向けての検討~
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概要
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本研究では, 栄養士養成課程学生の食事バランスガイドによる食生活状況と24時間思い出し法・秤量法・食物摂取頻度状況調査による調査結果との比較検討することによる食事バランスガイドの活用法を見出すための基礎データーの収集, また食行動・食意識との関連を探り栄養士スキルの向上につなげるための基礎データーの収集, さらに栄養士養成課程学生への栄養教育の方法について検討することも目的とした。(1) 食物学科学生の身長・体重・BMIは国民健康・栄養調査の結果とほぼ同じ値であった。(2) 食物学科学生は食意識の高いことが示唆された。しかし多様な食品を摂取し, よくかみ, 決まった時間に食事を摂取する者が少なかった。(3) 食事バランスガイドは料理からの解析法であるが, 思い出し法・秤量法・食物摂取頻度状況調査による結果と関連性があることがわかった。(4) 食物学科の食事バランスガイドによる食事摂取量は主菜以外適量を満たしておらず, 食行動・食意識調査で多様な食品の摂取をしている者が少なかったことと一致していた。(5) BMIによる体形別の食事バランスガイドによる摂取状況では, 主食・主菜・副菜のSV数の差を把握することができず, 食物摂取頻度状況調査による食事調査や食行動・食意識の調査を併用する必要が示唆された。(6) BMIによる体形別の食事調査結果より, エネルギー・油脂の過剰摂取から肥満になるという結果にはならなかった。(7) 「肥満群」「普通群」「やせ群」の群ごとに様々な問題点があることがわかった。栄養についての知識はあっても実行するのが難しいことが推測される。今後, 群別に個別対応し行動変容させることが必要であると思われる。(8) 学生の栄養士としてのモチベーションをあげるには, 食事の楽しさを学生に伝えていくことが重要であると示唆された。食事バランスガイドによる食事調査は他の調査と比べ, 容易に実施できるため, 今後食生活の点検と意識づけのために定期的に頻繁に実施し, 食物摂取頻度状況調査や食行動・食意識調査を組み合わせて個人の問題点を抽出し, 各個人にあった栄養教育を実施していくことが必要であると思われる。さらに規則正しい食事実践力」「バランスの良い食事実践力」を身につけるため, 栄養士養成課程の学生には各自で目標を作成し身体計測値を指標に行動変容を起こす実践的な教育を行うことが必要である。
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