ＰＥＴボトル入り清涼飲料水の直接飲用でボトル内に混入した口腔内常在菌の消長
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概要
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1996年より国産小容量PET飲料の販売が解除された。2003年における清涼飲料水生産量1,800万kLのうちPET飲料は56%のシェアを占め,その内の36.4%を500mLが占めている。500mL PET飲料が短期間でこれほど普及したのは,小容量PET飲料は,缶と違って再栓ができるという利点から,飲みかけの状態で長時間持ち歩くことが何らかの問題を生じないか,ということを細菌学的観点から検討する研究を行った。<BR>(1) PET飲料からの直接飲用により,口腔内に常在する様々な細菌が混入したが,時間経過とともに減少した。<BR>(2) 特に,抗菌性をもつと言われている緑茶飲料,ウーロン茶飲料では減少が急速であり,8時間保存後に生菌は認めなかった。<BR>(3) 糖類を含む果汁飲料,アミノ酸を含むスポーツ飲料,デンプンを含むむぎ茶飲料では減少が緩慢であり,8時間保存後でも生菌が多く認められた。<BR>(4) 通常は複数回の開栓・飲用があり,その都度細菌の暴露を受けるので,生残は多くなるものと考えられる。従って,特にむぎ茶飲料を飲みかけの状態で長時間持ち歩き飲用することにおいては注意が必要である。<BR>(5) <I>Staphylococcus</I>属菌は生菌数の減少が急速なウーロン茶飲料や緑茶飲料でも生残しており,減少が緩慢なむぎ茶飲料などでは<I>Streptococcus</I>属菌も検出された。
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