中心冷却体外循環下開心術により流出路拡大形成術を実施した小型犬の肺動脈狭窄症の2治験例
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概要
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2頭の小型犬に、体外循環下開心術により右室流出路拡大形成術を実施した。症例1は、14カ月齢の雌のポメラニアン、体重2.72kg、重度なスリルを伴う心雑音を主訴に上診した。心カテーテル検査では、右心室収縮期圧は119mmHgで肺動脈収縮期圧は20mmHgであった。症例2は、15カ月齢の雌のシーズー、体重3.30kgで、右心室収縮期圧は78mmHgで肺動脈収縮期圧は12mmHgであった。両症例ともに肺動脈弁狭窄症と診断し、体外循環下開心術によるパッチグラフト縫着にて根治術を実施した。両症例ともに順調に回復し、現在術後26および18カ月が経過しているが良好に経過している。両症例により、市販のカテーテルによるバルーン拡張術を実施するには小さすぎる小型犬に対して、我々の開発した人工心肺装置を使用した体外循環下開心術による右室流出路拡大形成術は安全であることが示唆された。
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