心不全モデル犬における持続性アンジオテンシンII受容体きっ抗薬カンデサルタン・シレキセチル(TCV‐116)の血行動態への影響
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概要
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持続性アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるカンデサルタン・シレキセチル(TCV-116)の心不全犬への応用を検討するため、実験的僧帽弁閉鎖不全症モデル犬を用いて全身麻酔下でTCV-116(5mg/kg,10mg/kg)の十二指腸内投与による血行動態の影響を検討した。TCV-116投与直後から両投与量ともに体血管抵抗と動脈圧が顕著に低下し、12時間後まで低値を持続した。心拍数、平均肺動脈圧および収縮期右心室圧は、一過性の低下傾向を認めた。心拍出量と一回拍出量は、5mg/kg投与で有意な増加を認めたが、10mg/kg投与においては一回拍出量は投与後一過性に増加傾向を示したものの心拍出量は増加しなかった。今回の実験成績から、カンデサルタン・シレキセチル(TCV-116)は、僧帽弁閉鎖不全症モデル犬において、その血管拡張作用による持続的な降圧作用と一回拍出量の増加を認めたことから、ACE阻害薬と同様にその有用性が期待されるものと思われた。
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