犬肝細胞癌の診断におけるソナゾイドによる造影超音波検査の有用性:— 造影超音波所見と病理組織所見との対比 —
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概要
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犬の肝細胞癌5 例に対しソナゾイドを用いた造影超音波検査を実施し,その後外科的に腫瘤を摘出し詳細な病理組織学的検索を行った。動脈相において5 例中4 例で腫瘤辺縁および腫瘤内に豊富な血管構造が描出された。低~中分化型肝細胞癌2 例(症例1,2)では,腫瘤は門脈相において低エコー性を示し,実質相において造影欠損像を呈した。それに対して,高分化型肝細胞癌の3 例(症例3,4,5)では腫瘤は門脈相において等~高エコー性を示し,実質相において造影欠損像を呈さなかった。血管相において腫瘤内部に無~低エコー性結節を含む不均一な造影パターンが見られた3 例(症例1,2,5)では,腫瘤内部に壊死巣が観察されたのに対し,ほぼ均一な造影パターンを呈した2 例(症例3,4)では,腫瘤内部に壊死巣は確認されなかった。造影超音波所見と病理組織所見とを比較,検討した結果,ヒト肝細胞癌と同様に,造影超音波所見が腫瘍の血管分布,腫瘍内壊死巣の有無,さらには腫瘍の分化度を反映している可能性が示唆された。
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