犬23例の超音波検査による胆泥の経時的変化
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概要
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8カ月以上の間隔で2回以上胆嚢の超音波検査をする機会があった,胆泥を有する犬23頭を対象とし,胆泥の量と可動性についてその間の変化を観察した。最初の超音波検査で胆泥が胆嚢の2/3以上貯留していた群は,より胆泥の量が少ない群に比べ平均年齢(11歳1カ月齢)が最も高かった。胆泥の経時的変化では,増加した群の平均年齢が最も高く,特に12歳以上の高齢犬で増加した犬が多かった。しかし,胆泥の量と可動性の変化には年齢による有意差はみられなかった。可動性の胆泥は過半数(7頭/15頭)が消失または減少したが,8頭の不動性の胆泥からレボチロキシンNaとウルソデスオキシコール酸を投与した1頭を除いた7頭で減少していた例はなく,増加した犬の方が多かった(5頭/7頭)。血清総サイロキシン濃度(T4)と胆泥の量に関連性はみられなかったが,T4が低い犬で半数(2頭/4頭)が不動性胆泥であった。今回の調査から,不動性の胆泥や貯留量が胆嚢の2/3以上のもの,および高齢の犬では胆泥が増加することがあると推察された。
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