犬の肺に発生したへん平上皮癌の1例
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概要
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10歳,雄のビーグル犬が2カ月前からの発咳を主訴に来院した。本症例は,初診時から重度な発咳と多発性の心室性期外収縮が認められ,内科的維持療法を実施したが,初診から18日で死亡した。病理学的検索の結果,肺原発の中分化扁平上皮癌と診断された。腫瘍は有棘細胞様細胞の胞巣状増殖からなり,単細胞角化,核異型ならびに多数の核分裂像が認められた。免疫組織化学的に腫瘍細胞は抗ケラチン・サイトケラチン抗体に強陽性を,抗p53蛋白抗体には細胞質が陽性を示した。電子顕微鏡検索では,細胞質内に少量のトノフィラメント,細胞間に豊富なデスモソームが認められた。犬の肺扁平上皮癌の細胞質におけるp53の発現は,本症例が初めての報告である。
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