表在性皮膚悪性腫瘍に対する光線力学療法~スーパーライザーを用いた症例の検討~
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概要
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光線力学療法(photodynamic therapy; PDT)は可視光線と腫瘍親和性光増感物質により光線力学反応を惹起し,腫瘍を選択的に死滅させる治療法である.皮膚科領域においては,5-aminolevlinic acid(ALA)外用剤を用いてPDTがすでに日光角化症,ボーエン病などの表在性皮膚悪性腫瘍に対する有用な治療法として確立されている.しかし光源として当初から頻用されているエキシマダイレーザー(浜松ホトニクス)は高価かつ大型であるため,一般クリニックでの導入は困難である.<BR>我々は表在性皮膚悪性腫瘍に対し,比較的安価で移動も容易である直線偏光近赤外線治療器スーパーライザー<SUP>TM</SUP> (東京医研)にバンドパスフィルター(600~690nm)を装着したものを用いたALA外用PDTを平成17年8月より施行している.同治療により現在までに日光角化症12例中7例(67%)がCR,5例(33%)がPR,Bowen病5例中2例(40%)がCR,3例(60%)がPRと満足すべき結果を得た.<BR>高齢化により増加傾向にある表在性皮膚悪性腫瘍に対する治療法として,簡便で低侵襲であるALA外用PDTは有効な治療法の一つである.光源として安価,軽量で取り扱いが容易なスーパーライザー<SUP>TM</SUP> などの非レーザー機器を使用することでさらなる普及が期待できる.
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特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 | 論文
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