肩関節痛を有する脳卒中片麻ひ患者の局所注射
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概要
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脳卒中片麻痺患者に好発する肩関節痛はリハビリテーション阻害因子の1つである.これに対する局所注射は臨床現場で多用される手技にもかかわらず,その意義·効果に関する報告は少ない.今回我々は肩関節痛を訴える片麻痺患者34名に対し肩の超音波検査と圧痛点の調査を行った.また圧痛点に局所注射(1%リドカイン3 ml+ベタメサゾン2 mg)を行いその結果につき検討した.超音波検査では非麻痺側と比較して麻痺側に上腕二頭筋長頭腱浮腫が有意に多く認められ,同部の炎症が示唆された.棘上筋腱損傷も麻痺側に有意に多くみられた.圧痛点は上腕二頭筋長頭腱に多く認めた.また局所注射は上腕二頭筋長頭腱に行ったものが最も多く,有効例を高率に認めた.これらの結果から上腕二頭筋長頭腱の病変は片麻痺の肩関節痛に関与しており,同部への局所注射は有用であると考えられた.
- 社団法人 日本リハビリテーション医学会の論文
社団法人 日本リハビリテーション医学会 | 論文
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