急性期病院から回復期リハビリテーション病院に転院した脳梗塞患者の診療情報提供書の検討―熊本市近郊における実態報告―:―熊本市近郊における実態報告―
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概要
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急性期病院から回復期リハビリテーション病院に転院した脳梗塞患者125例の診療情報提供書に, 脳梗塞臨床病型, 磁気共鳴画像 (MRI)・磁気共鳴血管造影 (MRA)・頚部血管超音波・心エコー・International Normalized Ratio (INR) などの検査結果の記載割合, フィルム持参の有無, 脳梗塞発症から転院までの日数について, 診療担当科間および紹介病院間の比較を行った. 担当科の比較では, 神経内科は, 臨床病型の記載 (96.5%) とフィルム持参 (72%) が脳外科 (50%/25%) と内科 (60%/10%) より有意に多かった. Holter心電図 (44.7%) と経食道心エコー (37.6%) の結果記載は脳外科 (10%/0%) より有意に多く, MRI (90.6%), MRA (84.7%), 頚部血管超音波 (85.9%) の結果記載は内科 (65%/40%/60%) より有意に多かった. 心エコー, INR, 転院までの日数には3群間で有意差を認めなかった. 病院間の比較では, 紹介数の多い6病院は, その他の14病医院と比べ, 臨床病型 (93.9%/44.4%), 頚部血管超音波 (83.7%/59.3%), 心エコー (75.6%/48.1%) の記載とフィルム持参 (64.2%/18.5%) が有意に多く, 転院までの日数 (20.5±11.0日/34.3±22.2日) は有意に短かったが, 6病院の間でもフィルム持参, MRA, 頚部血管超音波, Holter心電図, 経食道心エコー, 転院までの日数で病院間に有意差を認めた. 急性期病院には, 診療情報提供書を充実させ, リハビリテーション病院との間の診療情報の共有に努めることが望まれた.
- 社団法人 日本リハビリテーション医学会の論文
社団法人 日本リハビリテーション医学会 | 論文
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