カブの低温感応における各種温度の影響と短日による抑制作用の明確化
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概要
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カブの花房形成における春化程度を明確にするため,まず,低温処理の温度と期間の影響について,次に,低温処理後の短日処理期間の影響について,指標"花成強度"を用いて検討した.'耐病ひかり'の催芽種子を0,3,6および9℃で7~42日間処理して育成した結果,花成強度は,いずれの温度区においても処理期間が長いほど高くなったが,14~28日間処理では,3℃区で1.7~47.1%と最も高く,0℃と6℃でこれに次ぎ,9℃で0~8.3%と最も低かった.従って,3℃前後がカブ'耐病ひかり'の催芽種子において低温感応に最も影響の大きい温度であると考えられた.次に,催芽種子を3℃で14~35日間処理した後,8時間日長の短日処理を0~50日間行った結果,花成強度はいずれの低温処理期間でも短日処理期間が長いほど順次低くなったが,短日50日間処理区で著しく低かった.このことから,短日処理期間が長いほど花成における低温作用は消去されることが確認された.また,低温処理期間が長いほど短日による低温作用の消去は次第に困難になり,完全に消去されなくなることも確認された.
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