施肥量がトルコギキョウの覆輪着色面積率に及ぼす影響
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概要
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トルコギキョウの覆輪花弁の着色面積率は温度条件によって変動し20℃一定条件で顕著に増加することが明らかになっている.本報では施肥量と覆輪着色面積率および生育量との関係を調査した.覆輪安定性の低い品種'キャンディマリン'を用いて12時間日長200 μmol・m−2・s−1の人工光条件において20℃,22℃,25℃一定の温度条件と,少肥,多肥,過剰区を組み合わせて栽培した.覆輪着色面積率は25℃一定条件下では10%未満と低く施肥量による差は認められなかったが,22℃および20℃一定条件では多肥区,過剰区,少肥区の順に高かった.着色面積率は切り花重や主茎節数との間に高い正の相関が認められた.従ってトルコギキョウの覆輪着色面積率は温度に次いで施肥量の影響を受け,切り花重や主茎節数で表される生育量が多いほど高くなることが明らかになった.次に覆輪12品種を20℃一定の自然光型人工気象室において少肥区(個体あたり窒素施肥量54 mg),標準区(同122 mg),多肥区(同542 mg)として栽培し,着色面積率に及ぼす施肥量の影響の品種間差を調べた.その結果,1品種を除いて施肥量が多いほど着色面積率は増加し,切り花重や主茎節数および到花日数も増加する傾向が認められた.多肥による着色面積率の増加程度には品種間差が認められ,覆輪安定性の高い品種は施肥の影響が小さいことが明らかになった.
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