トルコギキョウ種子の登熟期における低温遭遇に対する抽だい反応
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概要
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トルコギキョウの種子登熟期に未熟な朔果(未熟果)に対する温度処理を行い,登熟時の温度条件が高温下で播種された実生の抽だいに及ぼす影響を調査した.登熟時の高温(38/28℃:昼/夜)は,涼温(23/18℃)と比較して抽だい率を低下させた.また,涼温条件と,暖地の雨よけハウスにおける夏から秋にかけての温度条件で登熟させた種子の抽だい率はほぼ同じになった.受粉後3週間の'彩の桜'の未熟果を花梗をつけて植物体から切り取り,糖を含む切り花保存剤を与えながら10,15,20,25℃の温度に3~11週間置いた場合,10℃では3~9週間,15℃では7~9週間の温度処理をしたときに抽だい率が高くなった.受粉から7または9週間後に切り取った'彩の桜'未熟果を,種子が乾燥するまで5.5,9.5,13.5,17.5,21.5℃の温度に乾燥状態で置くと,5.5~17.5℃の範囲で実生の抽だい率が高くなった.これらの結果から,種子は登熟中の温度の影響を発芽後も保持しており,登熟中に与えられた低温は抽だいを促進する効果のあることが明らかとなった.また,未熟果を植物体から切り離すこと自体にも抽だいを促進する効果があり,加えて植物体から切り離した未熟果は低温に感応して,その種子は高い抽だい率を示した.
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