1-メチルシクロプロペン処理がバナナ果実の可食期間に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
バナナはエチレン処理により追熟を開始し可食状態となるが,可食期間は通常たかだか6日である.流通業者や消費者からこの追熟過程を少しでもゆっくり進行させることが求められている.本研究では,バナナ果実の可食期間の延長を目的に,強力なエチレン作用阻害剤である1-メチルシクロプロペン(1-MCP)処理を試みた.1-MCPの処理時期(エチレン処理前,エチレン処理時,エチレン処理後),処理ステージ(着色度1,3,5),処理濃度(0.1,0.3,0.5,1.0,10 ppm)を変えてその効果を検討した.追熟開始前のバナナに0.3 ppmの1-MCP処理を行ったところ,追熟開始は遅れたが,追熟後の可食期間の延長には効果がなかった.1-MCPとエチレン同時処理では,0.3 ppmの1-MCPに対して100, 250, 500 ppmのエチレンで果皮に緑色のまだら模様が残った.同時処理の場合,エチレン濃度が高くなるとともに,速やかに黄化した.エチレン処理後の1-MCP処理では,着色度3到達時に0.3 ppmの処理で,可食期間の延長効果が認められた.以上の結果から,着色度3到達時に0.3 ppmの1-MCP処理により25℃下においても可食期間が12日まで延長することが明らかになり,バナナ果実への1-MCP処理の有効性が示された.
- 園芸学会の論文
園芸学会 | 論文
- 液状マルチ資材の散布がコマツナの生育, 収量ならびに地温に及ぼす影響
- 生分解性鉢による育苗がトマトの生育ならびに養分含有率に及ぼす影響 : 第2報定植後の生育(繁殖・育苗)
- 生分解性鉢による育苗がトマトの生育ならびに養分含有率に及ぼす影響 : 第1報定植前の生育(繁殖・育苗)
- トマトの開花期における小花柄の脱離過程
- トマト果実の完熟後における小果柄の脱離組織の形態的変化