スクロース処理が蕾切りカーネーションの切り花品質および糖質濃度に及ぼす影響
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概要
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さまざまな濃度のスクロース処理液が蕾切りカーネーションの蕾生育および切り花品質に及ぼす影響を調査するとともに,蕾生育中の切り花の各部位における糖質濃度の変化を解析した. 処理液のスクロース濃度は開花所要日数には大きく影響しなかったが,スクロース濃度を高くすると,花径が大きくなり花色発現が促進された. カーネーション切り花中には,スクロース,グルコース,フルクトース,ピニトールおよびミオイノシトールが検出された.自然生育区では,がく,葉,茎の糖質濃度はほぼ一定に保たれていたが,花弁では開花にともないグルコースとフルクトースの濃度が顕著に増加した.スクロース0%処理ではいずれの部位でもピニトール以外の糖質が開花にともない著しく低下した.スクロース5%処理では自然生育区と比較すると低い濃度で推移したが,糖質濃度の低下は抑制され,花弁中のグルコースとフルクトース濃度の上昇が認められた.自然生育区,0%区,5%区ともにピニトール濃度はほとんど変化しなかった. 以上の結果から,スクロースは蕾切りカーネーション切り花中の糖質濃度を増加させ,花の大きさを増大するとともに花色発現を促進することが明らかとなった.
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