コシアブラ種子の胚発育に及ぼす湿潤低温処理時期と期間およびGA3処理時期の影響
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概要
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コシアブラにおける種子繁殖法の確立のための発芽促進を目的として,成熟果実中から種子を採種し,GA3処理(200 mg・L−1)と層積法を用いた20℃湿潤処理および5℃の湿潤低温処理を行った.パラフィン切片法による種子の組織学的観察により胚の生育ステージを調査した結果,採種直後の種子の内部は,ほとんどが胚乳で占められており,球状胚から心臓形胚までの未熟胚であった.胚の生育に対するGA3前処理および20℃湿潤処理の効果を検討したところ,GA3前処理 + 20℃ 4か月処理で胚の生育が促進された.20℃湿潤処理後,GA3後処理および湿潤低温処理を行ったところ,GA3前処理 + 20℃ 3か月処理した種子で湿潤低温処理により胚の生育が促進され,種子は発芽がみられたが,20℃ 4か月処理した種子では,腐敗が多く観察された.以上の結果より,GA3前処理は20℃湿潤処理による胚の生育を促進すること,また,その後の湿潤低温処理により胚の生育はさらに進むことが明らかとなった.また,早期に実生を得るための処理としては,GA3 前後処理 + 20℃湿潤3か月処理 + 湿潤低温4か月処理が効果的であると考えられた.
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