牛ふん尿処理液を用いたトマトの培地栽培
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概要
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牛ふん尿処理液の液肥としての可能性を検討するため,培地に砂,山土を用いて,4作(2000年春,秋,2001年春,秋)の連作におけるトマトの生育,収量への影響を調査した.処理培養液は,対照区(市販培養液),希釈牛ふん尿処理液+リン酸区(リン添加区),希釈牛ふん尿処理液+多量要素区(多量添加区)とし,2001年春,秋には希釈牛ふん尿処理液のみの区(希釈牛ふん尿区,山土のみ)を加えた.その結果,植物体の生育は対照区に比べ牛ふん尿処理を用いた区で劣り,可販果収量は対照区の約7割であった.牛ふん尿処理液を用いた区の処理培養液は,ECやCl,K濃度が高く,これらが塩類ストレスとして作用したため,生育の抑制,収量の減少が生じたと考えられた.牛ふん尿処理液を用いた区では,葉身中Ca含有率が対照区に比べ低く,また尻腐れ果が多発した.また,牛ふん尿処理液の連用による塩類の過剰集積害はみられなかった.以上の結果,牛ふん尿処理液は緩衝能を有する土壌を培地とするかん水同時施肥栽培であれば,トマトの栽培に利用可能であることが示唆された.
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