落葉果樹4樹種の凍霜害危険度予測モデル
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概要
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果樹の晩霜害対策を効率的に行うため,リンゴ,ニホンナシ,モモおよびオウトウの切り枝を用いて低温処理試験を行い,処理温度と凍霜被害発生の関係についてロジスティック回帰モデルを適用して,発育ステージごとに危険度予測モデルを作成した.尤度比検定の結果から,すべてのモデルの適合度は高く,リンゴ'ふじ'の発芽期とモモ'あかつき'の花蕾赤色期の2つのモデルを除いては,判別的中率から,予測精度も高いと判断した.また,各モデルのロジスティック曲線は,オウトウの一部の発育ステージを除き,発育ステージの進行に伴って高温側にシフトすることが明らかとなり,発芽期から落花期に向かって防霜対策を強化する必要性が示唆された.効果的な防霜対策のためには,経済的被害の発生を予測することが必要であるが,切り枝を用いた試験では低温遭遇後の生育の進展に伴って現れる障害の評価はできないので,過去や将来におけるほ場条件下での凍霜害の事例をモデルに適用することで,モデルの実用性評価を今後進めたいと考える.
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