東日本大震災の被災農地におけるシイタケ廃菌床の施用による土壌およびスイートコーンの生育・収量への効果
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概要
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東日本大震災によって,被災した三陸沿岸地域の農地における農業生産を再構築するために,有機質資材として,堆肥化の行程を経ないシイタケ廃菌床の施用効果を,岩手県陸前高田市の被災農地において,スイートコーンの栽培試験を行うことで調査した.シイタケ廃菌床の施用により,土壌の化学性,物理性,生物性が向上した.一般に,C/N比が大きい有機物を堆肥化せずに施用すると窒素飢餓が起こるが,C/N比が大きいシイタケ廃菌床を堆肥化せずに施用しても,生育初期段階から生育促進効果が認められ,即効的にシイタケ廃菌床から植物へ窒素栄養分が供給されたことが示唆された.また,生育速度は化学肥料を施用した場合よりもわずかに劣ったが,収量は同程度となった.これらの結果から,被災農地において,シイタケ廃菌床を堆肥化せずに土壌に施用することで,収量を落とすことなく,土壌回復に利用できる可能性があることが示された.
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