カーネーション,カワラナデシコ種間雑種および戻し交雑系統における開花の早晩性と日長反応性ならびに早生性の遺伝性
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概要
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花持ち性や病害抵抗性などの有用形質を有し,かつ早生性・高生産性の品種育成のため,近年のスタンダード系カーネーション品種,カワラナデシコ種間雑種および戻し交雑系統を供試して,開花の早晩性と日長反応性を調査した.供試品種・系統の開花の早晩性,日長反応性には大きな差異が認められた.カーネーション品種'ミズキ','レイチェル'では,LD区で到花日数が100日未満であるだけでなく,SD区においても実験終了の3月16日(定植から169日目)までに全供試株が開花に至り,早生性を示したが,'ヒトミ','花恋ルージュ'および'ミラクルルージュ'は,全供試株が未開花であり,開花反応に大きな差異が観察された.カワラナデシコ種間雑種系統4K38-6,戻し交雑系統2系統は,'ミズキ','レイチェル'を上回る極早生性を示した.また,カワラナデシコ種間雑種,戻し交雑系統は,カーネーションと同様に,長日が開花に促進的に働く相対的長日性を有することが明らかとなった.早生性を示したカーネーション2品種のうち,'レイチェル'を種子親とした交配では後代が得られなかったが,'ミズキ'は種子親として高い稔性を有していた.'ミズキ'が種子親の交雑実生は,'ラ・フランス'を種子親とした交雑実生と比較して到花日数が短く,開花率の上昇が早かった.従って,'ミズキ'の有する早生性の形質は後代に遺伝することが示唆された.
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