シアナミド処理がニホンナシ主要品種の自発休眠打破および開花期に及ぼす影響
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概要
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ニホンナシ'幸水'および'ゴールド二十世紀'の休眠期の枝に0.5および1.0%シアナミドならびに2.5および10.0%過酸化水素水溶液を浸漬処理し,腋花芽の萌芽に及ぼす影響を調べた.萌芽の促進に対する両処理の影響は,それぞれの濃度および処理時期に依存したが,シアナミドが過酸化水素よりも萌芽を促進した.特に,Chill Unit(CU.)600での1.0%シアナミド処理が,全処理区内で最も休眠打破効果が高かった.次に,シアナミドの処理時期および濃度の違いが自発休眠打破ならびに春季の発育に及ぼす影響を調査するために'幸水','豊水','ゴールド二十世紀'および'新高'の成木にCU. 300,CU. 600,CU. 900およびCU. 1,500時に0.5および1.0%シアナミドを処理し,その後の萌芽率,花粉発育および開花期を観察した.腋花芽における休眠打破の反応は,品種ごとに異なり,'幸水'および'ゴールド二十世紀'ではCU. 600,'豊水'ではCU. 600~900,'新高'ではCU. 900に行った処理が効果的であった.また,処理濃度は1.0%が効果的であることが明らかとなった.一方,いずれの時期および濃度であってもシアナミド処理を行った樹体の花粉発育,萌芽および開花は無処理区より早くなった.
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