断根処理によるカーネーション萎縮叢生症からの回復
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概要
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カーネーション萎縮叢生症からの回復効果の高い断根処理法を検討した.まず,切除する根の量と切除後の土壌環境を変える実験を行った.回復のためには,根鉢を8割切除し,切除前と異なる涼温適湿条件の土壌環境下で栽培し,新しい根を多く伸長させることが重要であることがわかった.さらに,断根処理の時期(8月下旬と9月下旬)およびその時の発症程度が,回復状況および収量に及ぼす影響を調査した.その結果,断根処理の時期は収量には大きな影響は及ぼさなかったが,9月下旬より8月下旬に断根処理をした方が早く回復する株が見られた.また,発症程度が軽度の株に断根処理をすると,重度の株よりも早く回復し,3月下旬以降の累積収量が8月下旬に断根処理した株において正常株と同程度となった.以上より,暖地のカーネーション産地において断根処理を行う場合,残暑が厳しい時期であっても,症状が軽度のうちに根が全体的に短くなるよう(根鉢の8割など)切断すると,回復効果が高いことが明らかとなった.
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