ゲルビーズ包埋したミズワラビカルスにおける植物体再生技術と保存条件の確立
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概要
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ミズワラビ腋芽を3%ショ糖と10−5 M BAを含むMS培地で培養して誘導されたカルスは,2004年以来現在まで継代培養することができた.また,カルスをBA無添加培地に移すと,植物体が再生されることが明らかとなった.継代培養したカルスをアルギン酸ビーズに包埋して保存するとともに,包埋したカルスからの植物体再生実験を行ったところ,植物再生培地での前培養の有無にかかわらずビーズ包埋カルスから植物体が再生された.ゲルビーズ包埋したカルスは,20あるいは30℃では28日間保存することができた.しかし,3あるいは10℃で保存した場合,保存期間が長くなるにつれてゲルビーズ中のカルスは劣化し,発芽率が低下した.この結果は,カルスからの植物体再生にとって保存温度が重要であることを意味している.植物体再生能のあるカルスをゲルビーズ中に包埋する方法は,シダ植物ではほとんど行われていないが,ミズワラビでは大量増殖や保存にも有効な方法であると期待できる.
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