熊本県における新型恙虫病
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概要
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恙虫病は近年全国的に多発し, 昭和56年全国統計で388例, うち鹿児島県203例, 宮崎県22例と南九州はその多発地区として注目されている。熊本県においても初めて患者発生がみられた。症例のうち3例は39才生コン運転手, 66才農業, 79才建設会社員の男子でいずれも山林に出かけている。1例は42才主婦で, 夫が営林署員でしばしば山林に入つている。媒介者としてのツツガムシは熊本県においてキタサトツツガムシ, フジツツガムシ, ガーリエピアツツガムシ, コウチツツガムシ, クロシオツツガムシが多く, 季節的に春と秋から冬にかけて多く発生している。本症は的確な診断がつけば, 化学療法により完治する疾患である。近年の全国的多発と多職種への深い拡がりを再認識し, これに対する衛生行政の取りくみと臨床諸家の疾患認識の向上が早期診断·治療につながる。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
著者
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成沢 寛
水俣市立病院
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太田原 幸人
熊本女子大学生活科学部衛生学教室
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大山 勝郎
水俣市立病院皮膚科
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乃木田 俊辰
熊本大学医学部皮膚科教室
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甲木 和子
熊本県衛生公害研究所
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西田 浪子
熊本女子大学衛生学教室
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