構造用木質面材料の腐朽が釘接合せん断性能に及ぼす影響
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概要
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本研究では,構造用木質面材料の腐朽が釘接合せん断性能に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,構造用合板と構造用MDFを対象に,褐色腐朽菌であるオオウズラタケおよび白色腐朽菌であるカワラタケによる強制腐朽処理を施した後,釘接合の強度試験を実施した。その結果,腐朽処理によって合板は著しく腐朽し,特にオオウズラタケによって大きな質量減少が生じたものがあったのに対して,MDFは両腐朽菌ともほとんど腐朽しなかった。釘接合の強度試験の結果,合板およびMDFの釘側面抵抗や釘接合せん断耐力は腐朽処理によって低下したが,腐朽処理初期の強度低下は含水率の上昇に起因すると考えられた。ヨーロッパ型降伏理論に基づき,質量減少や含水率を考慮することによって,腐朽した釘接合部の降伏せん断耐力や終局せん断耐力を適切に推定することが可能であった。ただし,釘頭が木質面材料を貫通する場合の終局耐力は,MDFについては現行の設計規準に示されている補正比重や含水率を考慮した低減によって過小な評価となった。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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