アセチル化木粉-ポリスチレン複合体の力学特性
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概要
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スギ木粉をアセチル化した上でポリスチレン(PS)樹脂と混合し,160~200℃で熱圧することにより,木材充填率70~95%の木粉-PS複合体(WPSC)を作製した。アセチル化WPSCのヤング率および強度は,未修飾のWPSCおよびPS樹脂のそれらより高かった。未修飾WPSCは温水中で著しく膨潤し,その一部は完全に分解したが,アセチル化WPSCの厚さ膨潤はわずかであった。未修飾WPSCの力学性能や寸法安定性は木材充填率が80%以上で急激に低下したが,アセチル化WPSCのそれらは木材充填率90%以下で木材充填率に依存しなかった。アセチル化による性能向上は,木材-PS間の親和性向上によるものと推察された。また,アセチル化WPSCの高い寸法安定性はアセチル化された木粉の疎水性に由来するものと推察された。アセチル化は,WPSCの性能を維持しながら木材充填率を高めるための有効な手段と考えられる。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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