未利用材を利用した日本における木質ペレット製造のエネルギー収支分析
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概要
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未利用バイオマスを利用した木質ペレット製造について,エネルギー収支分析を行った。国内の3つのペレット工場を対象に,木材の伐採,輸送,ペレット製造,ペレット流通を評価範囲として,各工程における設備製造のエネルギーと運転エネルギーから,システム全体のエネルギー消費量を算出した。その結果,製造したペレットの発熱量(出力エネルギー)はペレット製造に係るエネルギー(入力エネルギー)を上回り,エネルギー収支はプラスであることが示された。しかし,出力エネルギーに占める入力エネルギーの割合は16~26%に達し,海外のペレット製造に比べて高い比率であることが明らかになった。入力エネルギーの詳細分析から,木材の調達手段や破砕方法,また乾燥用ボイラー燃料の選択等により,エネルギー消費量は大幅に低減する可能性があると考えられた。しかし,国産ペレットが燃料として競争力を持つためには相当な改善が必要であり,今後,林業の活性化を含めたシステム全体の最適化を図っていく必要がある。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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