絶滅危惧種ヤツガタケトウヒの木材特性の半径方向の変動
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概要
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絶滅危惧種ヤツガタケトウヒ(Picea koyamae Shiras.)の木材価値を確認するため木材特性を検討した。試験体には台風による風倒木を用いた。繊維傾斜角,静的曲げ特性,衝撃曲げ特性,圧縮特性および材色を測定した。さらにトウヒ属が楽器に用いられることを考え,振動特性も測定した。以下の結果を得た。1)木理は主にS螺旋で,繊維傾斜角は髄付近で大きく,樹皮へ向かって減少した。2)半径方向の力学特性の変動は,髄付近が他の部位と異なる場合が多く,概略あまり大きくなかったが,一部樹皮に向かって増大する場合が認められた。3)力学特性は半径方向圧縮ヤング率を除き他のトウヒと大差なかった。4)白色度は他の白いと思われた8樹種よりも大きく,トドマツと同程度であった。5)これらの優れた特徴を持つものの,節が300-400mm間隔で輪生するので施業(枝打ち)がポイントとなると考えられた。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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