ポプラ造林木における管状要素寸法の水平変動と肥大成長段階との関連性
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概要
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広葉樹において3つのパラメータ,すなわち木部繊維長(WFL),道管要素長(VEL),道管内腔径(VLD)は未成熟材と成熟材の境界区分を決定する際に用いられる代表的材質指標である。我々は2種のポプラ造林木14個体14枚の円板を用いて,道管内腔径の水平変動を調べ,成熟齢(変動の安定する形成層齢)を算出し,それらと既に報告されている木部繊維長と道管要素長の成熟齢とを比較した。さらに,3つのパラメータの成熟齢と肥大成長段階の境界齢との関連性を調べた。その結果,VLDの成熟齢はWFL,VELの成熟齢と比べて常に 4-5 年程度早い一方で,どのパラメータの成熟齢も累積年輪幅の水平変動にゴンペルツ成長曲線式をあてはめて求めた肥大成長段階の壮齢期と老齢期の境界齢(age t2)に近似した。このことから,これら2種のポプラ造林木ではVLDよりも肥大成長段階境界齢(age t2)が材質区分の指標として優れ,境界齢(age t2)を算出することで材質区分の境界推定が可能であることが示された。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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