木質空間およびビニル空間における疲労・ストレスの緩和効果 生化学的・心理学的指標による比較:生化学的・心理学的指標による比較
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概要
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精神的労作後の急性の疲労感やストレスに対する木質空間およびビニル空間の短期的な緩和効果について検討した。京都市内の大学生およびT建設会社,K設計事務所に勤務する健康な成人男女20名を被験者として,心理的指標(POMS:Profile of Mood States)および唾液中の生化学的指標(唾液中のコルチゾール,CgA:クロモグラニンA,IgA:分泌型免疫抗体A)を測定した。その結果,木質空間では活気を除く,緊張・不安,抑鬱・落込み,怒り・敵意,疲労,混乱などのストレス状態を示すすべての項目で入室30分後にPOMS値の平均得点が有意に低下(p<0.01)し,ビニル空間では入室前後での有意な差は確認されなかった。生化学的指標ではCgA,コルチゾールおよびIgAの濃度測定結果からクレペリンテスト後に交感神経系の活性化を示唆する反応が見られ,各室に入室後は交感神経の緊張緩和の様子が見られたが,両空間での有意差は検出されなかった。今後は被験者数の拡大や精神的ストレス状況の検討などを行い,更に研究を推進していく必要がある。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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