トドマツ精英樹等クローンにおける容積密度の樹高方向での変動とピロディンを用いた非破壊的評価
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概要
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トドマツ精英樹や育種母材のクローンを用いて,円板全体の容積密度(平均容積密度)の樹高方向の変動を調査した。また,立木状態で測定したピロディンによる打ち込み深さ(ピロディン値)と平均容積密度との関係を調査した。平均容積密度の樹高方向の変動パターンはクローンごとに異なっており,いくつかのタイプに分類できた。平均容積密度の最適な測定部位を検討した結果,地際からの高さ 1~3 m部位において樹幹を代表する値として用いることが可能であり,この地上高部位において遺伝的な違いを比較できると考えられた。立木状態で樹皮の上から測定したピロディン値(樹皮付きピロディン値),樹皮を剥皮したピロディン値(ピロディン値)と平均容積密度の間には,個体値,クローン平均値とも有意な負の相関関係が認められた。測定の簡便さから,樹皮付きピロディン値が有効な指標であると考えられた。以上より,胸高部位でトドマツの立木の樹皮付きピロディン値を測定することで,非破壊的に個体やクローンの平均容積密度を評価する有効な材質指標になることが示唆された。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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