ケナフ靭皮の化学成分的特徴とクラフト蒸解性
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概要
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筑波大学農林技術センターで栽培したケナフ(<I>Hibiscus cannabinus</I>)を三つの部分(上部,中部,下部)に分けた。さらに,これを靭皮と木部に分け,それぞれのタンパク質,リグニンおよび炭水化物の分析を行い,化学的特徴を明らかにした。木部の下部は,靭皮および木部の上部よりリグニンとキシランの含有率が著しく高かった。木部ではリグニンの蓄積にともなってシリンギル/グアイアシル(S/V)比が高くなり,非縮合型構造に富むことが示唆された。ケナフ靭皮とアカシア,ユーカリおよびスギ材のクラフト・AQ蒸解性を比較したところ,ケナフ靭皮のリグニン含有率はアカシア材より低いにもかかわらず,脱リグニン選択性は良好ではなかった。しかし,ケナフ靭皮パルプは酸素漂白においてカッパー価が容易に低下し,良好な白色度を与えた。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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